bookbeat4baby

words are not enough

安野モヨコ『美人画報ベスト』講談社電子書籍

このブログは楽天アフィリエイト、honto紹介プログラムに参加しています。


出だしに書き下ろしはあるものの、ほとんどが読み慣れた懐かしい原稿。語り口は軽快で笑いながら読める。
2000年前後の美容情報。今はもう無い店。ブランド。アイテム。3冊分まとめて読むことによって「あの頃」が甦ってくる。

読み終えて思うのが、情報は古びるけれど、センスは古びない事。
著者の美意識。今もそれは古びない。誰がどう見ても古いのはダイエットへの執着心だけだろう。
後半に進むにつれ著者の美意識がどんどん掘り起こされる印象を受けた。ぼんやり思っていた概念が言語化されて行く。

また、連載中にふと発した考えが未来を先取りしている点も(コスメなどパッケージのやかましさは頷きながら読んだ)。今では意味が勘違いされている「女子力」も著者が最初に表現した言葉だった。

古びないセンスは時代が過ぎ去らないとわからない。情報が古くなったからと言って読まないのは勿体無いと思う。その美意識を受け取ろう。